広義の不良品[]
本来は設計や規格に沿って生産される工業製品(または加工品)に対してのみ使用される同語であるが、拡大解釈として一定の規格から逸脱した存在に対しても不良品と表現する場合がある。
例えば農業の分野では、生産物は本来生物であるために画一化された物は得られないのだが、近代以降に於いては次第に消費者の指向もあって、細かく規格付けられた農産物の生産が求められる傾向が強い。このため規格外の農産物を不良品扱いするケースまで見られる。しかし、それら規格化された農産物が、本来の生物としての方向性を捻じ曲げてまでして維持される傾向もあるため、近年に至っては逆に規格外農産物を「自然である」として好んで消費する消費者も出るなど、皮肉な逆転現象も見られる。
なお、こういった「規格外の農産物」は、特に見た目や傷など、食品の性質としての問題にはならないながら、農産物という商品としてみた場合に価値が劣ることになる。特に販売や、その前段階での輸送に耐えられない農産物は、生産地域で加工食品の原料になったり、あるいは原型の残らない形(例えば果実ではピューレや果汁・濃縮果汁など)に加工され、食品原料として流通・利用されている。