ロット管理との関係[]
日本では、様々な下請工場を経て生産される工業製品の多くは、古くは管理番号と台帳・近年ではバーコードを印刷したシールを通箱に添付して要所要所でチェックする事で、ロット毎の品質管理を行う様式が発達している。これらは、様々な粗製品や半製品(仕掛品)の品質不良が判明した場合、いち早く該当する部品を使用した製品の所在を明らかにすることが可能で、日本製品の品質向上に大きく貢献しており、世界的にも同様の製造手法が導入されている。
しかし、様々な部品が集約されて一つの製品となる工業製品とは逆に、末端に行くほど細分化されて流通する食料品の場合は、パック詰め状態にまで追跡すると、人的にも設備的にも膨大なコストを発生させる事から、なかなか進まない問題があった。一方では、年々高まる消費者の食物に対する関心により、生産者側から一方的に供給されるスタイルから、消費者が生産者によって購入するかどうかを選ぶスタイルも生まれて来た。特に海外からの輸入食料では、ポストハーベスト農薬等による、食の安全性という問題もあり、食品の流通にまで消費者が関心を寄せる傾向は1980年代より急速に高まっており、更に各種食品問題によってトレーサビリティの重要度は、多方面で認識され始めている。